鋳物砂通気度試験器
NKP型
鋳物砂通気度試験器

使用法
迅速法
通気性試験器を水平台に置き3方開閉器を「開」に廻し空気槽がW目盛迄浮き上るよう水槽に水を注入する。3方開閉器を「測定」の位置に廻し空気を通じ空気槽を0線の少し手前迄沈下させ3方開閉器を元に戻して空気を止める。次に砂の粒度に依り大或は小オリフィスをゴム栓の上方に空気の漏れないよう「ゴム輪」を挟んで捻じ込み、サンドランマーにて調整した試験へんとする標準砂型を砂詰管に詰めた儘「ゴム栓」に空気が洩れないよう固く挿入する。
次に3方開閉器を「測定」に廻す時は砂詰管内に空気圧力を生じ水柱計に水位差を生ず。
この水柱圧を読み取った後3方開閉器を閉める。こうして得た圧力差に依り通気度対照表により所要の通気率の値を求める。
標準測定法
通気度=V×H/P×A×T
V=試験片を通過した空気量(cc)2000cc
P=試験片の上面と下面との圧力差(水柱cm)
(一般に通気度が0の場合にはP=10cmとなる様に調節するが、試験片が一定の通気を有する場合には、その通気度に応じ一定の流れの平衡圧を示す)
A=試験片の断面積(cm2)(A=19.635cm2)
H=試験片の高さ(cm)(5.0±0.1cm)
T=2000ccの空気量を通過排出するのに要した時間(min)
乾燥砂の試験法
サンドランマーで調整し砂抜棒にて抜取った標準砂試験片(直径50mm、高さ50mm)を乾燥器にて乾燥させる。
但し弱い試験片は直径50mmの円板上に抜き取り円板と共に乾燥器に入れて乾燥する。
乾燥器で摂氏105~115°にて1~2時間乾燥し、冷却後これを乾燥砂通気試験筒に入れ、その開閉器を開きゴム球より空気を入れ、開閉器を閉める時は薄いゴム膜に依り試験片が気密に支えられるからこれを通気性試験器の「ゴム栓」に挿入し、生型砂と同様に上記の方法に依り通気性を測定する事が出来る。
オリフィスの測定
孔径1.5φmmのものは、通気度36以上の時に使用され、孔径0.5φmmのものは、通気度49以下の時に使用出来る。
[註]
空気槽を引き上げる際は極めて除々にこれを行い、水槽の水を攪乱させないこと。オリフィスは常に清浄にして、孔部に狂が生じないよう注意し、時々孔の検査をすること。オリフィス孔の検査をするには、これを通気性試験器に取付け、砂詰管を挿入せずして空気槽の空気を「オリフィス」より大気中に放出させ、空気槽が0線より2000線迄沈下するに要する時間を測定し、下記規格に一致するか否かを検査し、下記規格に一致しない時は正確でないから孔部を修正すること。
空気槽内空気圧力、水柱100mm
2000立方糎排気に要する時間
大オリフィス 30秒
小オリフィス 4分30秒
(但し公差±2%とす)
鋳型表面通気試験管
出来上がった鋳型又は中子の表面通気性を試験する為に附属したもので「ゴム管」の一端の受口を通気性試験器「ゴム栓」に挿入し、他端「ゴム当口」を測定する部分に押当て、砂試験片の場合と同様に通気性を測定する事が出来る。
本方法は砂試験を測定するように正確には測定出来ないが、仕上り鋳型の通気性を測定出来る故に便利である。